【第三回】第15回ファイナリスト 松浦優さん!
こんにちは!シュッパンダの部屋へようこそ!
僕,シュッパンダが出版甲子園に関わるいろんな人にインタビューするよ〜
出版甲子園の魅力をもっと知ってもらうために,頑張るぞ!
「第15回出版甲子園決勝大会に出場したファイナリスト達に突撃インタビュー」!!(長い…)
2019年に開催された,第15回出版甲子園で,見事決勝大会に進出したファイナリストの方々に,参加のきっかけや大会中のおもしろエピソードなど,出版甲子園のあんなことこんなことを根掘り葉掘り聞いちゃいます!
出版甲子園ってどんなことするんだろう…?
企画書ってどうやって書くんだ…?!
そんなあなたへのアドバイスも見られるかも??
三人目のゲストは……松浦さん!
近年注目を集めるジェンダーの話題について,キャッチーな設定で切り込む異色の入門書で見事ゲスト賞を受賞しました!
- 名前:松浦優 さん
- 企画名:「セックスしないと出られない部屋」に閉じ込められてしまったので脱出方法をはじめからじっくり考察してみた ~ジェンダー/セクシュアリティの基本概念をめぐる対話集〜
- 企画内容: 「そもそも何をすればセックスとしたと言えるのか?」…あなたは答えられますか? 『セックスしないと出られない部屋』に閉じ込められた主人公達の会話劇から,ジェンダー,セクシュアリティについてじっくり考えてみましょう。「『性的』とはどういうことか」「『女性は男性より所得が低い』と言うときの『女性』とは何か」など、基礎的な概念を根本的なところまで掘り下げます。
(パンダ=パ,松浦さん=ま)
パ:まずは,出版甲子園に応募したきっかけを教えてください!
ま:元々文章を書いたり読んだりするのが好きで,大学の文芸部で小説を書いたりしていました。
そこで,まとまった形で一つ作品を書きたいと考えた時に,せっかくなら私自身が「こんな本が読みたいなぁ」と思う本を作ってしまおう,と思って応募しました。
パ:この企画のテーマは「ジェンダー論」でした。今まさしく話題の分野ですが,このテーマを扱った理由はなんですか?
ま:私は大学院でジェンダーやセクシュアリティに関する研究をしているので、本を書くための材料は揃えられるかな、と思いまして。それに加えて、シュッパンダ君が言ってくれたように,この分野は関心を持ってくれる人が多いので,もしかすると需要と供給が一致しているかなぁ、と考えました。
パ:『セックスしないと出られない部屋』というのは,アニメや漫画の二次創作でよく使われる設定なんですね。このアイディアはどこから生まれたんですか?
ま:私自身が中高時代からオタク文化に馴染みがあったので,趣味から思いついた…という感じです。
ぱっと見のインパクトが強いので、『セックスしないと出られない部屋』自体を知らなくても興味を持ってもらえるかなぁと思って、タイトルに取り入れてみました。ジェンダー論などの予備知識があまりない方でもとっつきやすいような、楽しい本づくりを意識した結果ですね。
パ:ジェンダーは扱いが難しいというイメージがあるのですが,企画書を作る上で気をつけたことなどはありますか?
ま:差別とも関わる非常にセンシティブなテーマですので、ジェンダーやセクシュアリティの多様性を尊重するように気をつけました。
実は二次審査までの企画書では登場人物は2人だったんですけど、出版甲子園の担当者さんから「登場人物を増やした方が多様なあり方を描けるのではないか」といったアドバイスをいただきまして、それがとても参考になりました。
読み手としての意見をいただけるという点で、担当者からコメントをいただけるというシステムは非常にありがたかったです。
パ:決勝大会に向けて,やっぱりプレゼンの準備は念入りにやったんですか?
ま:短い制限時間で、伝えたいことをどうまとめるか、というのが結構大変でした。
あとは、決勝大会の時期がちょうど大学での論文執筆に被っちゃって,実はあんまりプレゼンの練習はできなかったんですよ……。なので前日の追い上げでギリギリ帳尻を合わせた感じですね。
パ:お,お疲れ様です…! 本番は結構緊張しましたか?
ま:う~ん、なんというか、「成功しようが失敗しようが、制限時間が過ぎればどうせ終わる」という感覚なので、緊張はあんまりなかったですね。学会発表とかで慣れている、というのもあるかもしれません。
ただ、質疑応答はどんな質問が来るか分からないということもあって、ちょっと緊張しました。
担当者さん含め,出版甲子園実行委員の方々からは「読み手」としてのアドバイスをいただけたんですけど,審査員の方々は「商品を作る側」としてコメントしてくださるんですよね。その観点が自分では十分に考え切れていなかったので、コメントに答えるときに悩んだと同時に、とても勉強になりました。
全体的にすごく楽しい大会だったなぁ、というのが一番の感想です。オープニングムービーもすごく素敵だったし、あと他の方の発表もとても面白くて(笑)。
パ:結構リラックスして楽しめたんですね。
ま:発表順が早かったこともあるかもしれません。それと,大会の休憩時間に他の参加者の方とお喋りできたことも楽しかったです。様々な人との出会いがあって,良い大会だったなと思います。
パ:松浦さんは,見事ゲスト賞を勝ち取りましたね!発表された時のお気持ちは?
ま:最初は「えっ?私が?」という感じで,ちょっとびっくりしました。
講評でゲストの箕輪さんが「著者自身の伝えたい内容と、読者が手に取ってくれるようなパッケージングのバランスがよかった」というようなことをおっしゃっていて、自分の戦略がうまくいってよかったなぁと思いました。
パ:自分のねらいが聞いてくれた人にビシッと伝わるのは嬉しいですよね!
受賞おめでとうございます!
ま:ありがとうございます!
パ:では最後に,今後出版甲子園に応募してくれる人に,メッセージをお願いします!
ま:たぶん大切なのは、「書きたいもの」と「書けるもの」と「売れそうなもの」という3つをどう折り合いをつけるか、ということだと思います。
でもまずは、自分の好きなものを出発点に書くのがいいと思います。本当に書きたいものじゃないと,なかなかやる気が続きにくいですから。
まず書きたいものを自分の中でちゃんと決めて,そのあとで、どうやったら人に読んでもらえる本になるか、じっくり考えると良いと思います。頑張ってください!
インタビューありがとうございました!
松浦さんの出版への道と今後のご活躍を応援しています!
※今回のインタビューはオンラインで行いました。みんなでコロナを乗り切りましょう。
お読みいただきありがとうございます!
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