「早稲田祭脱出ゲーム」事後レポート!!
こんにちは!出版甲子園実行委員会です。11月に入り、冬の気配を感じる頃となりましたね。
出版甲子園では11月3日、4日の早稲田祭にて、「謎解きの多い料理店」と題し、脱出ゲームを開催しました!
ご来場いただいた皆さまに、心から感謝申し上げます。お楽しみいただけたでしょうか?
さて、今回の早稲田祭事後レポートでは、
・早稲田祭全体の振り返り
・企画中の一部の謎について
以上2点についてお伝えさせていただきます!
ゲームにひそむ、いわゆる隠し要素的な内容にも言及させていただきますので、企画についてはよく知らないけれど、謎解きやミステリがお好きな方も、ぜひお読みください✨
早稲田祭全体について
当企画では、両日合わせて140名を超える方々にご来場いただきました👏👏
両日とも予約が早い段階で満員となる(団体員デザインのビラを配る間もないほどでした!)など、たくさんの方にご興味を持っていただくことができ、団体として大変うれしく思っております。
想定以上に多くの方にお越しいただいたことで、至らぬ点も多かったかと思います。ご寛恕いただき、ありがとうございました。
アンケートを拝見するに、今回の企画に参加された方々の中には、出版甲子園の存在を初めて知った!という方も多くいらっしゃるご様子。
ぜひぜひこの機会に、「学生の商業出版を応援する」サークル、出版甲子園実行委員会の存在について、記憶に残していただければ幸いです。
出版に興味をお持ちのご友人やご家族にも、よろしければお伝えくださいね。
企画中の謎について
序盤の謎について
ご来店いただいたお客様には、一つ目の部屋で始めに店の主人からの手紙をお受け取りいただきます。
続いて机の上に置かれた紙に基づいて、まずはABを求め、その後「特別料理」という書籍のABページを開いて、①から④に入る言葉を探すことになります。
ABが載っている表は魔法陣とも呼ばれ、縦、横、斜めの3つの数の合計が、常に等しくなるように作られています。この表の合計は常に15となるため、それに基づいて解くとAは3、Bは4となります。そこで机に並んだ数々の本から「特別料理」を探し出し、34ページを見ると...
以下のような文章が見つかります。
「わたしが自分を全然おさえずにその料理について感じていることを口に出したら、君は私を本物の精神異常だと思うだろう。(中略)世にも珍しい種類の羊の一番いいところの肉なんだよーー原産地の名前をとってアミルスタン羊っていう」
スタンリイ・エリン著 『特別料理』(早川書房 2015年刊行)より
よって①から④がそれぞれ「羊肉料理」となることがわかります。
机の上に置かれた2枚目の紙にはこのようなパズルがあり、「白無垢→大正」というヒントが書かれています。
ここでは白と無の間、無と垢の間に挟まれた大と正の字をつなげた言葉が答えとなっているため、「羊肉料理」についても同様に羊と肉、肉と料、料と理の間の字を拾っていくと、「椅子裏」という言葉が出てきます。四角の中にこれらの文字を入れることで、「鍵は椅子の裏」という文章を導くことができ、椅子の裏から鍵を見つけることができます。
終盤の謎について
最後の部屋でこれらの写真の謎を解き、箱の鍵を開けると、ところどころに黒線の引かれたトレーシングペーパーを見つけることができます。
「はじめと終わりは循環します」という文章から、このようにはじめの主人からの手紙にペーパーを重ねると、「まいごのひつじ」という言葉を読み取ることができます。
脱出のためには、今夜のメインディッシュを当てる必要があるため、その場にいる給仕に「まいごのひつじ」と告げることで、脱出成功となります。
ちなみに、なぜ今夜のメインディッシュが羊、それも迷子の羊となるのか、脱出ゲームに参加してくださった方の中でも、疑問に思われた方がいらっしゃったかもしれません。実はこの答えには、意味づけが可能なんです…!
始めの謎や終わりの答え、さらには机に並んだ本の中など、この脱出ゲームでは色々なところに「羊」が登場しますよね。
みなさまは、キリスト教の聖書の中には、人間を「羊」に例える表現が少なからず登場することをご存じでしょうか。例としては旧約聖書の詩篇の中で神を羊飼いに、人間である作者自身を羊に例えたり、新約聖書「ヨハネによる福音書10章」において、キリストが自身を羊飼いに、民衆を羊に例えたりといったことがあげられます。
羊は群れで行動する習性があり、基本的に憶病で、危険があるとすぐにパニックになって逃げ出そうとするほか、一頭のパニックが群れ全体に伝染しやすいなど、人間に近い性質を持っていることもあってか、ホラー小説等においても人間の隠喩として用いられる例は少なくありません。サスペンスとしてヒットを博した映画の原作、トマス・ハリスによる「羊たちの沈黙」が有名な例でしょうか。
キリスト教的な世界観が普及する西洋において「ひつじ」が単なる動物ではなく、人間を指す場合もあるとすれば、手紙の中で「今夜のメインディッシュ」と述べられていた「まいごのひつじ」とは、実際には何の肉を使う予定だったのでしょうか…?
いえ、店主がこういった背景を知っていたのかどうかは、今となっては知りようのないことです。たとえ山猫軒が「西洋」料理店だとしても…。
今はただ、皆さまのご無事を喜ぶばかりです。
ちなみに今回謎に用いたスタンリイ・エリン著「特別料理」は、ミステリー作家の綾辻行人氏や、米澤穂信氏によるオマージュ作品が存在するなど、とある分野においては非常に人気のある小説といっても過言ではありません。上記のお二人がお好きな方、また当の分野に興味のある方は、お読みいただければ興味深いかと思います。
改めまして、この度は当店にお越しくださり、誠にありがとうございました。
決勝大会について
出版甲子園実行委員会では、11月26日に出版甲子園決勝大会を開催します!
決勝大会では、全国の学生による出版企画のうち、三度の審査を通過した上位8つの企画について、企画者自身がプレゼンを行い、現役の編集者と書店員による審査が行われます。
言語について、ペットについて、物理についてなど、ジャンルは様々ながら、自身のテーマに対する愛と、出版への熱い思いが感じられるプレゼンに、いつの間にか引き込まれること間違いなし!
YouTube Liveでのオンライン視聴も可能です✨プレゼン終了後には、豪華ゲストによるトークショーも!
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