第18回決勝大会レポート🗒🖊

いよいよ決勝大会🔥

2022年11月27日、第18回出版甲子園実行委員会が新宿ミライナタワーマイナビルームにて開幕しました。

今回、本を出版したいという熱い思いをもって会場に集結したのは、6企画7名のファイナリストたち。約80企画の中から、3度に渡る厳しい審査を勝ち抜いたファイナリストたちによる白熱したプレゼンバトルの様子をレポートします!

今大会のテーマは「今しか見えないもの、君にしか書けない本」でした。成人年齢の引き下げなど、激動の時代を生きた学生だからこそ見えてくる視点があるのではないかという意図が込められています。

ゲストでお呼びしたのは「ざんねんないきもの事典」や「わけあって絶滅しました。」など、数々のヒット作に携わってこられた編集者・図鑑製作者の丸山貴史さんです。丸山さんには、すべてのプレゼンが終了したあと、40分にもわたるトークショーをしていただきました!

さらに前回大会に引き続き、上位二企画の企画者による最終決戦が行われ、彼らの企画にかける熱い想いを聞くことができました。

審査員と企画者の皆さま

プレゼンスタート!

①「生き物だけじゃない!生物学に隠された本質」🐳

著:毛防子璃奈

生物は暗記だけじゃない!

高校生物の良問を解説しながら、生物学の楽しさをキャッチーに伝えたいという思いを語っていただきました。クジラ研究者になって捕鯨問題を解決したいという野望を持つ毛防子さんは、企画を通して生物学の沼にハマらせたいとのこと!

毛防子さんの描かれたかわいらしい生き物のイラストとともに、生物学に対する愛を感じるプレゼンでした。

②「ギモンが親子をつなげてくれる なぜなぜ解消本」👩‍🍼

著:安保広睦・萌生

子供のギモンはとまらない!?

そんなとまらないギモンへの解答に困ったことはありませんか? 

そんな時にはこの企画。ひとつのギモンに対して複数の視点からの解答をするというコンセプトのもと、大人が子供の「ギモン」にこたえるための解答集を作りたいという安保さん。

多様性の求められる現代にこそ合ったこの企画。兄妹の息のあったプレゼンが印象的でした!

③「演劇って面白そう!」と思ったら最初に読む本 🎭

著:菊池康貴

演劇をしないなんてもったいない!

演劇は面白いんです、と力説する菊池さん。演劇を通じて人と「関わる」力と人に「伝える」力を学ぶことができると語ります。菊池さんが実際に学校の総合の授業で行っているワークショップも交えた紹介をしてくれました。

「漫才に使える演劇の小ネタを教えてほしい」という難しい質問に対して、観客に違和感を持たせる手法をアドリブで実践していたのが印象的でしたね!

これぞ演劇の力!

④「今昔気象物語」🌦

著:沼咲 なぎ

古典×気象!?

一見全く関係がないように見えるこの二つ。

実はそんなことないんです! 
沼咲さんは、今と昔の空をつなぐ鍵は古典にあるといいます。今ではみんなが空を見上げるイベントとなった月食。でも、古典を読み解くと昔月食は恐ろしく不吉なものと捉えられていたよう。決勝大会の直前にあった皆既月食を絡めた話題で関心を誘いました。

この企画を通じて文理の壁を壊したいという沼咲さんの気持ちのこもったプレゼンでした。

⑤「令和乙女の帝都文学散歩録」👘

著:おりょう

文豪はお堅いイメージ?

そんなのもったいない!

文豪ゆかりの地の散歩コースと、そのテーマに沿ったレトロで浪漫の詰まったコーディネイトを紹介し、令和の乙女たちを散歩と文学の世界へ楽しくいざないます。おりょうさんが重視するのは「場所の新規性」ではなく、「気持ちの新鮮さ」。
文豪への愛の詰まった企画でした。

「本が売れていない時代に文学に興味がない人にどうアプローチするか」という質問に対してコーディネイトを入り口にしたいという独自のアプローチを提示していたのが印象的でした。

⑥「行動経済学の研究で日本スポーツを活性化!?」⚾️

著:今泉拓

行動経済学の研究で日本スポーツを活性化!?

「マラソンで一番多く記録されているタイムは?」という質問から始まった本企画のプレゼン。

身近なところに見られる行動経済学の考え方を紹介し、会場を一気に引き込みました。意思決定のメカニズムをもっと研究し、役立てることが出来ればスポーツを盛り上げ、強くすることができるのだと力説されました。

「競技を絞って本にしようという案はなかったのか」という質問に対しては、まずは行動経済学の面白さを選りすぐって伝え、将来的に研究が活発になったら出していきたいと展望を語ってくれました。

最終決戦:パネルディスカッション

ファイナリスト上位二企画の企画者による最終決戦では、パネルディスカッションが行われます。

ここで簡単に、パネルディスカッションとその審査基準について説明致します。今回、重要なのは企画者の出版に対する熱意。審査員と観覧者の皆さまの投票により選ばれた上位二企画の企画者が3つの議題について議論し、より熱意があると評価された企画者がグランプリとなります!

それでは、早速最終決戦に進出する二企画を発表していきましょう!!

最終決戦に進むのはー--

エントリー No. 4 『今昔気象物語』沼咲なぎさん!

エントリー No. 6 『行動経済学でスポーツの常識を小突く』今泉拓さん!

沼咲さん、今泉さん、おめでとうございます!!

それでは最終決戦を見ていきましょう!

💡出版甲子園に応募したきっかけは?

沼咲さん「私は高校生の時から気象と古典はかけ合わせたら絶対に面白いと思っていて、文理選択の時も、面白いのは理系だけど得意なのは国語というので悩んだ経験があったんです。この乖離をどうにかしたいと思っていたときに生協にたまたま貼ってあったポスターをみて、この野望を本にしたらいろんな人に伝えられるのではと思い、応募しました!」

今泉さん「理由は大きく分けて三つあります。一つ目は行動経済学とスポーツ分析を掛け合わせると面白いことができるということを多くの人に知ってもらいたかったからというものです。二つ目はその魅力を伝える上で本という手段に魅力を感じているからです。ウェブメディアで記事を書いているのですが、初日こそ読まれるもののその後はあまり読まれないという無力感を感じていました。本棚にあり続ける本という媒体で、物理的に読者の時間をいただきたいと思いました。そして、三つ目は担当者の方々に執筆をサポートしていただけるというシステムが自分にピッタリだなと感じて応募に至りました。」

💡学生が出版するうえで一番大切なことは?

今泉さん「熱意が大切だと思います。特に、これから社会がどう変わっていくか、や社会に自分が何を伝えていきたいといった熱意を伝えていけるのは学生であるが故と考えています。」

沼咲さん「私も熱意が一番大切だと思います。熱意っていうのは、自分が一番伝えたい思いをどれだけ伝えられるかにあると思います。それをあきらめずにずっと引きずっていける最後の身分が学生なのかなと思います。」

💡この本が出版されたらどんな社会になってほしい?

今泉さん「行動経済学とスポーツ分析が両輪となって発展する社会になってほしいです。スポーツとタッグを組んで熱狂を生み出してほしいと考えています。」

沼咲さん「一番大きい目標は、常識にとらわれない社会になってほしいというものです。固定概念を持たない社会になって、自分の好きな分野をあきらめることなく学べるような動きが社会全体に広がっていくといいなと思います。

トークショー

第18回出版甲子園決勝大会のゲストは、図鑑制作者として幅広く活躍されている丸山貴史さん! 世界中を旅され、出版社を立ち上げられた丸山さんに、その稀有なご経験や編集者として大切なことをお聞きしました。

ここでは特に印象的だった回答をご紹介します!

 💡編集者として大切にしていることは何ですか?

丸山さん「インプットをたくさんするようにしています。企画を立てるうえで、インプットがしっかりされていないと意外と何も出てこないものです。専門分野でやっている人でも分野というのは細分化するものなので、常にインプットしていかないといけません。広く浅くでも引き出しがたくさんあるといつか使う機会が来たときにすぐに対応することができるのではないかと思い、出張などの機会でも、少し足を延ばしてその土地特有の場所を訪れたりしています。」

この他にも、丸山さんの図鑑制作者としての思いをたくさんお聞きすることができました。

丸山さん、ありがとうございました!

結果発表


今年の決勝大会も終わりが近づいてまいりました。

ラストを飾るのは、審査員と観覧者の投票によって決まるグランプリ準グランプリ、そしてゲストの丸山さんから贈られるゲスト賞の発表です。

まずはゲスト賞

選ばれたのは…

エントリーNo. 1 『生き物だけじゃない! 生物学の隠された本質』

毛防子璃奈さん!!

賞状と副賞の丸山さんの著作『どうぶつのタマタマ学』が贈呈されます。

続いて準グランプリの発表。

選ばれたのは…

エントリーNo. 6 『行動経済学でスポーツの常識を小突く』

今泉拓さん!!

今泉さんには賞状と副賞の万年筆が贈呈されます。

そして、栄えあるグランプリを勝ち取ったのは…

エントリーNo. 4 『今昔気象物語』

沼咲なぎさん!!

沼咲さんには賞状と副賞の万年筆、トロフィーが贈呈されます。

受賞された毛防子さん、今泉さん、沼咲さん、おめでとうございます!

そして、熱いプレゼンバトルを繰り広げ会場に感動を届けてくれた7名のファイナリストたちに大きな拍手をお願いします!

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以上、第18回出版甲子園決勝大会のレポートでした!

彼らが熱い想いをもって生み出した企画が実際に出版されるのが今から楽しみですね!

次にグランプリを獲得するのはあなたかもしれません。

企画募集の開始はもうすぐそこです!

あなたも、出版甲子園を通じて出版のチャンスをつかみませんか?

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