あなたの英語、実際に使えますか?【既刊本紹介プロジェクト第3弾】

『失礼にならない「ビジネス英語」言い換え辞典』

第3弾となりました既刊本紹介、今回は『失礼にならない「ビジネス英語」言い換え辞典』を紹介したいと思います。

「実際に使える」英語

まずは、本書の軽い内容から。本書は、英語を実際に使うにあたって生じる潜在的なトラブルを解消するために、「対面強迫行為」すなわちFTAに注目して、特にビジネス英語について解説しています。「FTA」については後ほど詳しく紹介します。

「潜在的なトラブル」というのは、別に文法的におかしいこと言ってない/書いていないはずなのになんか変な空気になっちゃった〜、というやつですね。本書では、「異文化接触によるトラブル」と書かれています。具体的には、「とりあえず "Pardon?" って言えばオッケー。」じゃだめだよ、という話です。(だいぶ語弊はあります)

そのような、「変な空気になっちゃいがちな場面」をできるだけ網羅して、「FTA」を用いてその原因を探っていくのが本書です。

重要なのは、本書は決して英語がわからない初心者向きの本ではないということ、そして実際に英語を使う場面がある、または将来的にある人を想定しているということです。

そのため、英単語や英文法はある程度知っているという前提のもとで進んでいきます。また、これを一通り読んで覚えるだけでは何も意味がありません。実際に英語を使ってみて、本書を読み直して、ああここがダメだったな、と理解し改善して、を繰り返すことで自分の英語を上達させるためにある、と個人的には思っています。

逆に言えば、本書は「高校レベルの英語はまあ大丈夫やけど、実際に使うとなったら不安やなあ。」という方にすごくおすすめです。実際、私自身(大学二年生)にとっても勉強になることが多々ありました。そのような方にとって本書は、実際に英語を使うときの最高のお供となること間違いなしです。

「FTA」って?

ここからは、本書の軽いネタバレになります。興味を持っていただけましたら、ぜひ購入してみてください!

「FTA」とは、ビジネスコミュニケーション(会話だけではなく、メール・プレゼンなども含みます)において円滑な人間関係の構築の妨げになるもの、と定義されています。

それって何で決まるの?という話ですが、本書によると、「話者間の心理的な距離=D(distance)」「話者間の権力関係=P(power)」「認識の程度=R(recognition)」で決まるとされています。この三つがちょうど良いものでないとき、コミュニケーションがうまくいかないというわけです。少し難しいので、具体例を挙げてみましょう。

例えば、どこに住んでいるのかを聞きたくて、"Where do you live?" と尋ねたとします。学校でもそう習いましたし、そんなに問題はなさそうですよね。しかし、この時P(=権力関係)のアンバランスが生じ、失礼な英語となってしまっています。

どういうことでしょうか?

"Where do you live?" は、実は警察官が身元不明の不審者に職務質問をするときによく使われます。そのため、このような質問をされたほうは「答える義務感」のようなものを抱かざるを得ないのです。(本書より引用)つまり、対等な関係であるはずなのに、権力関係を意識させるような質問をしてしまったことで、尋ねられた方が下の立場であるような印象を持たせてしまった、というわけなのです。代わりの表現としては、"Where are you based?"などが挙げられています。

このように本書では、日本人が陥りやすいミスを、論理的に分析して適切な対処法を提示しています。
単に感覚的な説明に終わらず、誰もが納得できる形で原因を提示しているというのも本書の特徴の一つです。

『失礼にならない「ビジネス英語」言い換え辞典』(日本実業出版社)

著者:佐藤洋一
2015年11月20日
1540円(税込)
ISBN:978-4-534-05333-6
https://www.njg.co.jp/book/9784534053336/


ここまでお読みいただきありがとうございました。良ければ、ぜひ購入してみてください!

ライター:第19回出版甲子園実行委員会 編集局 Y.F

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